物理の大学入試問題を解く

Ⅰ.説明をつける理由

 答案に説明をつける第一の目的は、考察を進め、ミスを減らすことです。

 

 試験では、取り掛かったけれども難しく、解答をいったん中断し、
ほかの問題を解いたのちに戻って解く場合があります。
説明がついていると、もとの考察にすんなり入ることができます。

 

 また、説明がついていれば、答案の見直しも楽になります。

 

 

 第二の目的は、採点者が答案を誤って読むことを防ぐことです。

 

Ⅱ.説明の内容

 記述式の答案では次のような内容の説明をつけましょう。

 

1.自分で定義して使う文字の説明

 

 熱力学の第1法則の関連で、熱量を表す文字として\(Q\)を使います。

 

 その際には、"熱量を\(Q\)とする"よりも
 "気体が吸収した熱量を\(Q\)とする"、あるいは、
 "気体が放出する熱量を\(Q\)とする"と、丁寧な説明をつけましょう。

 

 \(Q\)をどちらの"熱量"で定義するかにより、符号が変わってくるためです。
自分の説明を見ながら、熱力学の第一法則を立てれば、符号ミスは減ります。

 

 また、解答を中断して別の問題を解いたのちに再挑戦する場合に、
どちらの意味の"熱量"であったかで迷うことがなくなります。

 

 

2.式を立てるときに自分で決めた基準の説明

 

 説明が必要な基準は、
 ・重力による位置エネルギーの基準点
 ・モーメントの基準点
などです。

 

 問題文中に基準が示されていれば、それに従います。
示されていなければ、自分で決めて、力学的エネルギー保存の式などを立てることになります。

 

 基準は人により異なります。
基準が違っても、力学的エネルギー保存則などでは等価な式が得られますが、
最初に立式する式の形が異なってきます。

 

 答案の見直しや、採点者による採点の便宜を考えて
どこの点を基準にして式を立てたかの説明を書いておきましょう。

 

 

3.式と式の根拠

 

 立式の根拠と、その根拠にそった形の式を示します。
根拠に基づいた最初の式をしっかり答案に記述することが大事です。
途中の計算は、詳しく書いても簡単に済ませても良いです。
もちろん、計算ミスがないようにしましょう。

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物理の問題について、立式するときの注意事項をまとめています。

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